FDAは2024年12月30日付の警告書(Warning Letter)において、Evolutionary Biologics Inc.が販売する複数の製品(EXO RNA™、EVO JEL™、EVO HYBRID™など)を「未承認の新薬」であり「未許可の生物学的製剤」であると指摘しました。これらの製品は、医薬品や生物学的製剤としてFDAによる事前審査・承認を受けていないにもかかわらず、組織再生や炎症抑制、骨や軟骨の修復などの効能を謳っていた点が問題視されています。
まず、FDAはこれらの製品が、単にヒト細胞組織由来製品(HCT/P)として規制対象外となるための要件(21 CFR 1271.10(a))を満たしていないと指摘しています。例えば、EVO JEL™は臍帯(へその緒)組織から製造されていますが、「同種用途(homologous use)のみを目的とする」条件を満たしていないとされました。臍帯が本来有している“管状の物理的構造”としての機能ではなく、炎症や筋骨格系の損傷治療などの用途を掲げているためです。また、臍帯や羊膜などを“流動性”形状に加工する過程で、元の組織が持つ基本的な構造的特性を失わせており、「最小限の操作(minimal manipulation)」の基準も逸脱しているとされています。
さらに、エクソソーム製品(EXO RNA™など)についても、複数の成長因子や炎症抑制効果があることを宣伝していましたが、これは生物学的製剤としての適切な承認を受けていない段階での効能表示にあたります。FDAは過去にエクソソーム製品の使用による深刻な有害事象の報告を受けており、警告書でも安全性と有効性の確認が不十分であることを問題視しました。
今回の警告は、幹細胞やエクソソームなどの先端医療分野において、企業が治療効果を広く謳いつつ必要な承認手続きを経ていないケースが改めて問題視された例といえるでしょう。製品の安全性や有効性を明確に示すためには、FDAの生物製剤ライセンス申請(BLA)など、適切な審査プロセスを踏むことが不可欠です。
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