FDAは、2025年1月にニトロソアミン不純物に対する発がん性の強度分類へのアプローチに関する研究成果(題名以下)を掲載しました(2025/1/10付け)。
“Determining Recommended Acceptable Intake Limits for N-nitrosamine Impurities in Pharmaceuticals: Development and Application of the Carcinogenic Potency Categorization Approach”
2018年6月以前は、NDMAやNDEA(発がん性のあるニトロソアミン類)は、サルタン系医薬品の不純物として特定されておらず、通常の試験では検出されないという経緯がありました。世界的に問題提起されてからは、各極で分析方法の開発を含めた管理がさけばれてきたところです(以下参考)。
研究では、81種類のニトロソアミンを対象に、発がん性を5つの強度カテゴリーに分類し、それぞれのカテゴリーに対応する許容摂取量を設定しています(対象とするニトロソアミンは、N-ニトロソ基が炭素原子と直接結合している化合物に限定)。
強度のスコアは、以下の式で求めています。
強度スコア=α-水素スコア+非活性化特性スコア+活性化特性スコア
強度スコア:発がん性の強さを示す指標で、値が高いほど発がん性が低い
α-水素スコア:N-ニトロソ基の両側のα-水素の数と配置に基づくスコア
非活性化特性スコア:発がん性を低減させる構造的特徴に基づくスコア
活性化特性スコア:発がん性を高める構造的特徴に基づくスコア
それぞれの具体的な特性とスコアは、ウェブサイトの中盤に表として定義されています。
CDERはこの研究を進めることで、ニトロソアミンの推奨される許容摂取量の特定を支援する意向であることを述べています。
参考資料
- 記事:https://www.fda.gov/drugs/spotlight-cder-science/determining-recommended-acceptable-intake-limits-n-nitrosamine-impurities-pharmaceuticals
- EMA: https://www.ema.europa.eu/en/human-regulatory-overview/post-authorisation/pharmacovigilance-post-authorisation/referral-procedures-human-medicines/nitrosamine-impurities
- JPN: https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/0371.html
- US: https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/information-about-nitrosamine-impurities-medications