【FDA Form483】無菌操作等に関する指摘

Date

2025-02-13

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2024年8月5日~9月30日に実施されたFDAによる検査では、Pine Pharmaceuticals, LLC(Tonawanda, NYに所在)のアウトソーシング施設において、無菌製造プロセスや環境管理、製造工程の各段階で多数の改善点が指摘されました。

1. 無菌加工エリアの空気供給と環境管理の不備

  • HEPAフィルターを通した空気供給が十分に機能しておらず、流体の乱流が発生していることが指摘されました。
  • 空気の流れを可視化する試験(スモークテスト)や環境モニタリングが不十分なため、無菌状態の維持に疑問が生じています。
  • オペレーターの作業において、ISO5エリア外での作業や腕をフローキャビネット上に置くなど、無菌状態を乱す行動が観察されています。

2. 環境モニタリング体制の不十分さ

  • ISO5環境内の微生物や非生菌粒子(NVP)のモニタリング仕様が十分でなく、特に製品接触面のサンプル採取が不足しています。
  • 測定のタイミングや箇所が限定的なため、製造中のリスクを適切に評価できていません。
  • 手指モニタリングにおいても、適切な手順に沿った検査がなされていない事例が見受けられました。

3. 無菌製品の汚染防止に関する手順の欠如

  • オペレーターが着用するゴーグルのデザインや器具の取り扱い方法により、製品に異物が混入するリスクが高まっていると言及されています
  • 一部の作業で、部品の消毒不足や不適切な開封方法が確認され、これにより微生物汚染の危険性が指摘されました。

4. 施設および設備の清掃・消毒手順の欠如

  • 清浄化記録において、消毒剤の必要な接触時間が記録されておらず、手順通りに実施されているかの確認が不十分です。
  • キャッパー機器など、製造過程で使用される設備の内部清掃が行われていないため、摩擦や残留物が原因で製品汚染が生じる可能性があります。

5. 製造エリア間の交差汚染防止対策の不足

  • 非ペニシリンβ-ラクタム製品とその他の医薬品が同一施設内で製造され、エリア間の明確な分離がされていません。
  • 共有廊下や空気の流れから、クロスコンタミネーション(交差汚染)のリスクが高まっています。

6. バッチ不合格時の調査不備と是正措置の遅れ

  • バッチや構成部品が規定の仕様を満たさなかった場合の原因究明が不十分で、環境モニタリングの結果のみで製品がリリースされているケースが見受けられます。
  • HEPAフィルターの不具合などに対する非適合報告が遅延し、根本原因分析が十分に行われていません。

7. 製造プロセス管理と最終検査手順の不備

  • 完成品の視覚検査において、目視で確認される異物の数が規定を超えているにもかかわらず、十分な原因調査が行われていません。
  • 品質保証部門が、再発防止策や工程内の管理基準を明確に定めていないため、同様の不具合が繰り返される恐れがあります。

8. 工程内検査および中間材料の管理の不十分さ

  • 各製造工程ごとの実際の収率と理論上の収率の計算が不十分で、視覚検査での欠陥を正確に反映できていません。
  • 統計的手法を用いた工程管理が不十分なため、製品の一貫性や品質の確保に課題が残っています。

9. 製造収率の計算方法の問題

  • 欠陥品を除外した収率計算が科学的根拠に基づかず、実際の製造効率やロスが正しく評価されていない点が指摘されています。

なお、翻訳は正確でない可能性があります。正確な詳細情報は原文をご参照ください。

https://www.fda.gov/media/185430/download