2024年9月23日から10月22日にかけて、米国食品医薬品局(FDA)は、Kennett Square, PAに所在するBoothwyn Pharmacy LLCの施設に対して査察を実施しました。そのForm483では、同社が製造・流通する無菌および非無菌医薬品製品に関して、重大な品質管理上の欠陥や工程上の不備が指摘されています。
Observation 1: 試験・出荷プロセスにおける試験結果の不備
- 不正確な証明書(COA)の使用:
同社は、製品の出荷前に必要な最終仕様への適合性を確認するための試験を十分に実施していなかったと指摘されています。特に、7ロット分の製品で、契約先試験機関のデータと実際の結果が一致せず、実際には規格外(OOS)の結果であったにもかかわらず、「合格」と記載された証明書を用いて流通させたケースが確認されました。 - BET(細菌性エンドトキシン試験)の不備:
さらに、2023年3月から2024年8月までに、約31ロットの製品に対し、エンドトキシン試験で規格外の結果が出ていたにもかかわらず、そのまま出荷される事例が散見されました。たとえば、特定のバッチでは規格値を大幅に超えるエンドトキシン値が記録され、試験機関の内部調査でもエラーは認められなかったにも関わらず、十分な是正措置が講じられていません。
Observation 2: 無菌環境維持に関する手順の不遵守
- メディアフィル試験・スモークスタディの不備:
無菌充填室における「スモークスタディ」動画の検証から、以下の点が指摘されました。- SOP(標準作業手順書)に反して、ISO Class 5環境内に複数の作業者が同時に入室している。
- 作業中、器具や接続部品が製品接触面に触れるなど、無菌状態を損なう可能性がある動作が確認された。
- 作業者の動きにより、First Pass Air(FPA)の流れが妨げられ、充填工程においてエアフローが乱れる場面が複数見受けられた。
Observation 3: 異常結果に対する徹底的な原因調査の欠如
- OOS(規格外)結果への不十分な対応:
複数のバッチで発生したエンドトキシン試験のOOS結果に対し、適切な原因調査が実施されず、必要な是正措置が講じられていませんでした。たとえば、18ロット分のOOS調査報告書が試験時に提出されましたが、実際の調査はバッチ出荷後に行われ、患者や処方医への連絡も一切なかったと報告されています。
Observation 4: 品質部門の権限・責任の不備
- 最終承認プロセスの欠如:
同社の品質部門は、契約先検査機関から受領する証明書の最終レビューやバッチ記録の承認が適切に行われていませんでした。31ロット中7ロット分のCOAが改ざんされた形跡があり、誰が最終的に結果を確認・承認したのかが不明確な状態です。
Observation 5: 供給業者からの分析報告書のそのままの受け入れ
- 原料の品質確認の不備:
供給業者が発行する原料の証明書(COA)をそのまま受け入れるケースが確認され、内部での検証や供給業者の試験結果の信頼性検証が行われていません。特に、N-Acetyl-D-Glucosamine USPの一部ロットに関しては、「栄養補助用途専用」と記載されたCOAが存在し、医薬品用としての適合性が疑問視されています。
なお、翻訳は正確でない可能性があります。正確な詳細情報は原文をご参照ください。