2024年9月下旬から10月初旬にかけて、テキサス州ヒューストンに所在するEmpower Clinic Services, LLC(Empower Pharmacy)に対し、FDA(米国食品医薬品局)が実施した検査の結果、いくつかの重要な指摘事項が報告されました。
1. 危険薬品の取り扱いに関する不備
- 危険薬品と非危険薬品が同一のISO-5クリーンルーム内の充填ラインで連続して製造され、適切な隔離措置や洗浄対策が十分に実施されていないことが指摘されました。
- 洗浄バリデーションの結果、交差汚染防止を十分に証明できるデータが欠如している点が問題視されています。
2. 製造環境の設備や表面の状態
- ISO-5クリーンルーム内で、錆、剥がれた金属片、壁の打痕、緩んだガスケット、床と壁の隙間など、清掃が困難な箇所が複数確認されました。
- 一部設備では、洗浄後も残留物が見受けられる状態で、適切な洗浄・消毒が徹底されていないと判断されました。
3. ISO-5エリアの定期認証の不足
- 過去の認証時(2023年10月、2024年4月)において、HEPAフィルターの粒子数評価や環境モニタリングが十分に行われなかったことが明らかになりました。
- 特に、充填ライン上部のHEPAフィルターに対する非可侵分析が欠如しており、室内の空気品質管理に疑問が残ります。
4. 設備の清掃・消毒手順の不備
- 製品接触面に対する滅菌処理が不十分であり、化学消毒剤による対策のみでは、十分な安全性が担保されていないと指摘されました。
- また、スパーシダル剤の接触時間(dwell time)の確保ができておらず、ラインクリアランスも適切に実施されていない事例が報告されています。
5. 培地充填試験の実施不足
- 実際の製造工程をシミュレーションする培地充填試験が、最悪条件下での挑戦的なバッチサイズを十分に反映していないとされ、オペレーターの適性評価にも課題があると報告されました。
6. 環境モニタリングの不十分さ
- ISO-5エリアにおける表面の微生物検査で、規定以上のコロニー形成単位(CFU)が検出され、特に胞子形成菌(Paenibacillus lautus)の検出が問題視されました。
- 目標値の設定が現状のリスクに対して不十分であるとの指摘がなされています。
7. スモークテスト(エアフロー評価)の不足
- ISO-5クリーンルームおよび充填ラインにおいて、動的条件下でのスモークテストが不十分であり、空気の一方向流動が十分に確認されなかったとされています。
- 空気乱流や停滞が見受けられたため、対策の必要性が示唆されました。
8. 医薬品グレード外の原料使用
- 化粧品グレードのアゼラ酸が、非無菌製剤「Anti-Aging Ultra」の製造に使用されたことが確認されました。
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