内容
PIC/Sの公式ウェブサイトには、EU GMP Annex 11の改訂についての方針書(2022年9月付け)が掲載されています。Annex 11はComputerised systemsで、CSVも含まれています。筆者は適宜Efpiaの委員と情報交換していますが、データの信頼性についても大きく取り上げられるという情報を得たので、改めてこの方針書の内容から新規項目に焦点を当て紹介します。データの信頼性に関わる主な改訂としては、以下等があります。
- Data in motion(ネットワークを介して移動中のデータ)及びdata at rest(保存中)それぞれに要件を新規追加。また、手動より自動化された制御を推奨。
- デジタルトランスフォーメーション(DX)等の新技術に対する規制要件の新設。
- AIやML(機械学習)の活用に関する規制の明確化。先ずは、これらをテストするために使用されるデータの信頼性やテスト結果要件にフォーカス。
- クラウドサービスなどに対する要件(バリデーションや運用関連)の新設。
- 監査証跡に関する要求の厳格化。
この方針書に提案されている日程では、2026年6月にECにより文書化(リリース)され、同年9月にPIC/Sに採択される予定となっています。