EU GMP第1章の改訂案が公表されています。
主な改正点は以下ですが,詳細は本文を参照してください。
原則(Principle)
リスクベースの医薬品供給不足予防・軽減活動を考慮すべきと明記された。→ 製造リスクが供給不足につながる場合を想定し、QRMに組み込む必要性が強調。
Pharmaceutical Quality System(PQS)
1.4 (viii)
有効なモニタリング・制御システムを設計・利用する際にQRMを活用する と追記。
1.4 (xviii)
品質リスクマネジメントと知識管理を用いて「早期警告システム」(early warning system)を確立し、品質/製造リスクや供給不足に対応できるようにする と追加。
Good Manufacturing Practice (GMP)
1.8 (v)
原材料供給者・委託先・サービス提供者など外部要因による供給リスクを適切に管理する と追加。
Product Quality Review (PQR)
1.10 (xviii–xxxi)
製造の有無に関わらず、レビューは必ず実施することが強調された。
製造バッチが少ない場合 → 前回レビューのトレンドデータを含める。
製造バッチが多い場合 → 前回レビューのトレンドデータも参考になる。
製造ゼロの場合 → 安定性、返品、苦情、リコール、逸脱、バリデーション関連事項、規制面をレビュー対象にする。
1.10 (32–35)
レビュー期間は製造キャンペーンに応じて調整可能。ただし手順書で規定すること。過去データを含めて頑健性を確保する。
1.10 (36–45)
製品群ごとのレビューは科学的根拠に基づき実施。ただし代表品のみのレビューは不可 と追記。
1.10 (46–49)
MAH(製造業者と異なる場合)は技術契約で役割・責任・戦略(例:製品群レビュー)を合意する必要あり と追加。
Quality Risk Management (QRM)
1.12–1.13
QRM はリスクベースの意思決定を支える体系的プロセスであり、製品ライフサイクルを通じて適用される と改訂。
1.14 (58–64)
「品質リスク」には製品供給への影響(患者への潜在的な害を含む)も含まれる。各拠点は供給リスクを自らの責任範囲で管理する必要がある と明文化。
1.15–1.17
リスクに応じた形式性の調整、主観性の低減、新知見の反映によるレビュー体制 を明示。