【FDA Form483】原因不明な異常事態を放置していませんか!?

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2025-01-22

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2024年12月2日から20日にかけて、米国食品医薬品局(FDA)はSCA Pharmaceuticals社(米国コネチカット州ウィンザー)の受託製造施設に対して査察を実施しました。その結果、Form FDA 483が発行され、いくつかの重要な問題点が指摘されています。

OBSERVATION 1(原因不明の相違点のレビュー不備)

  • 未充填シリンジが入ったトレー内に段ボール片や毛髪などの異物が多数混入している事象について、十分な原因分析やサプライヤー対応策が実施されていない。
  • 環境モニタリングや作業者モニタリングのサンプリング漏れを含むリスク評価が不十分なまま、対象ロットが出荷されている。
  • 目視検査でクリティカルまたはメジャー欠陥率が規定を超えたロットが繰り返し発生しているにもかかわらず、原因究明や再発防止策が不十分なままリリースされている。

OBSERVATION 2(製造および工程管理の文書化手順の不備)

  • 複数の無菌注射製品に対し、製造工程のバリデーションが十分でない。
  • 2023年10月から2024年12月にかけて「力価OOS」が確認されたロットが多く、根本原因や安定した工程能力の確立ができていない。
  • バンコマイシンのばらつき是正を目的としたCAPAが長期間クローズされておらず、CAPA実施期限などの明確な規定がない。

OBSERVATION 3(設備および器具の清掃・保守手順の不備)

  • LAFH(無菌作業台)のHEPAフィルタを保護する金属ディフューザを定期的に清掃する具体的な手順がない。
  • 消毒剤の有効性試験(VAL-24-034-FR)において、試験条件や評価する微生物株、最大暴露時間などが実際の運用と一致していないため、接触時間などの妥当性が証明されていない。

OBSERVATION 4(設備の設計面での不備)

  • 金属ディフューザを取り外して清掃した後に行うはずの再認定を行わず、無菌製品の製造を継続していた。
  • ISO 7クリーンルームで使用されるトート容器に凹凸や取っ手部分があり、清掃が難しい構造となっているが、そうした点を考慮した清掃バリデーションがなされていない。

OBSERVATION 5(バッチ記録の不備)

  • 理論収率と実収率を各工程ステップで適切に算出しておらず、目標と乖離していても次工程に進んでいる。
  • 製造中に生じるすべてのユニット(例:充填後に拒否されたユニット数など)がバッチ記録に正確に反映されていない。

OBSERVATION 6(微生物汚染防止手順の欠如・不遵守)

  • オペレーターが使用するゴーグルに通気孔があり、微粒子や皮膚由来の汚染リスクが残る構造である。
  • ISO-5内での無菌操作時に使用される保護具の設計が不十分で、製品への微生物混入リスクが高まっている。

OBSERVATION 7(環境モニタリング体制の不備)

  • SOPでは「製造中に最低1回のバイアブルエアサンプリング」を定めているが、実際には製造の開始、中間、終了を代表する十分なサンプル採取が行われていない。
  • これにより、製造全工程を通じた環境の微生物学的状態を適切に把握できていない。

なお、翻訳は正確でない可能性があります。正確な詳細情報は原文をご参照ください。

https://www.fda.gov/media/185240/download