【FDA Warning Letter】20%の品質不良等

Date

2025-01-23

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内容

今回、FDAがサノフィ(Sanofi)の子会社であるGenzyme Corporationの製造施設についての警告書を発行。施設の査察期間は2024年6月12日から7月9日に及び、外観検査や製造記録の確認、微生物汚染リスクへの対処状況などを含め、広範囲にわたる調査が行われました。以下では、警告書で特に注目された主な指摘事項を整理してご紹介します。

指摘1:重大な逸脱の不十分な調査

バイオリアクターでの生産ロットのおよそ20%が汚染や品質不良により却下されていた事実が浮上しました。しかし、これらの微生物汚染や工程内高圧などの重大な逸脱に対し、原因を十分に追究する調査が行われていなかったことが問題視されています。特に外観試験で粒子が検出されたケースでは、工程設備の調査結果と矛盾した結論が出されるなど、調査の妥当性が疑われる事態でした。

指摘2:工程の再現性を実証できていない

製造バリデーションでは本来(b)(4)と設定されていた工程を(b)(4)へ変更し、微生物汚染リスクを高めていた点も指摘されました。さらに、運用手順書(Pre-Job Briefing)を“GMPに該当しない”と位置付けながら、実質的にはバリデーションされた製造工程を逸脱していたことも問題となっています。

指摘3:機器の不適合

微生物管理が必要なクリーン環境で使用される設備の設計上の問題が取り上げられました。床との距離が近い移動式カートが一因となり得る微生物汚染リスクや、(b)(4)が持つ「設計上の制限」が十分に解決されていないまま使用されている点は深刻とされ、装置の設計再評価が必要だとされています。

指摘4:品質部門の責務不履行

査察時点で80件以上の逸脱調査が期限超過になっていたことは、品質部門(QU)の機能不全を示しています。原因として人手不足や教育不足が挙げられていますが、FDAは具体的な是正措置とその実効性を厳しく求めています。

指摘5:生産時の逸脱報告および評価の欠如

実際の製造現場では、オペレーターが床にラインを接触させたり、無菌操作の手袋消毒を行わなかったりといった問題行動が見受けられましたが、こうした逸脱が正式に報告・評価されていないケースが指摘されています。FDAは、適切な行動規範の教育プログラムや監督体制の再構築を要求しています。

なお、翻訳は正確でない可能性があります。正確な詳細情報は原文をご参照ください。

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/sanofi-690604-01152025