InterPhex 2025で当社のLean PQS™について発表しました

Date

2025-07-14

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講演概要 - Lean PQS™とQuality Ethos

INTERPHEX 2025で当社のLean PQS™をプレゼンしましたので、概要をお伝えします。

そのもととなるリーンGMPシステム(European Compliance Academy)は、企業がGMPに対する誤解や曲解から過剰な体制を強いていることに提言しているものです。ファーマプランニングでは自社が行っているギャップ分析にLean PQS™の概念を当て、新たな提言をしています。当社で行うギャップ分析は、一義的にはFDAやPMDA等目指す規制当局の査察対応に、製造所のレベル向上をはかるために行われるもので、上市先の規制に十分に対応することが重視されます。ところがその際に、規制の本質に照らして明らかに過剰(以下、オーバースペックと称す)な対応を見かけることが多々あり、これに対しては資源の有効活用といったQRMの原則に基づき提言しているところです。この独自なLean PQS™の概念は、Effort(資源)がそのままEffectiveness(効果)に結び付くものではなく、規制の本質を誤解することによって資源を浪費してしまうということが根底にあります。このEffortとEffectivenessとの間にEfficiency(効率)を介するというのがLean PQS™の概念となります。コンサルはEfficiencyを最大化してクライアントに提言する義務があり、そのためには規制の本質を十分に理解したプロフェッショナルであることが必須となります。令和5年9月1日に事務連絡として発出された「GMP監査マニュアル」の目的は製販の監査能力を上げるものであり、同時に、ここに書かれる解説を理解してオーバースペックな指導をしないようにすることも意図していたわけですが、果たしてその実効性はいかがなものでしょうか。

企業は規制要求水準を最低限満たした上でプラスα(FDAがいうところのベストプラクティス)の水準で整備するわけですが、どの段階で落とし込むかによって資源が決まり、Efficiencyを最大化することによって効率的かつ効果的なPQS体制をとることが可能となります。この水準の決定は企業の品質方針によって決まります。コンサルはクライアントの声(VOC)を聞くことによって最適な水準を設定します。その設定にはICH Q-Trioがツールとなります。

管理体制は、規制に書かれるWhat to do?からHow to do?に落とし込むための企業のPhilosophyに掛かります。何故その管理体制をとるのか、Philosophyは、すなわちWhy?です。このWhy?が品質方針として具現化されます。業界はかなり前からFDAが発したQuality Cultureに注視し、今、国内でも醸成度を測ることに追加的に資源をかけていますが、既にQuality CultureはPQSのシステムそのものに織り込まれており(FDA OPQ White Paper)、重複して何かをするものではないはずです。更にはシステムの醸成度評価はマネジメントレビューが担っています。もともとICH Q-Trioが検討された根底にはそういった求めが高まったからでした。PQSは品質に対する企業のガバナンス、Quality Cultureはその体制を展開するためにどう行動するのか(How?)であり、その体制のWhy?を司るのは、“Quality Ethos”といわれます。PQSがGMPに導入された現在、経営陣がQuality Ethosを明確に定義し、それを品質方針に表明することが、PQSが導入された現在、より重要なことになります。

執筆者

寶田 哲仁 (たからだ てつひと)

現職:株式会社ファーマプランニング シニアコンサルタント


1983年 持田製薬株式会社入社

27年間品質保証業務を経験、この間、製造管理者・品質保証責任者等経験

2016年独立行政法人医薬品医療機器総合機構

GMP・GCTP調査(シニア調査員等)の他、アジアトレーニングセンターにて東南アジア諸国等の査察官指導体制の確立及び運用に関わる

2021年 学校法人東京理科大学研究推進機構総合研究院究

ヒト細胞加工製品のQbDアプローチ関連の研究支援の他、知識管理・品質文化に関する研究

2023年 現職にて、GMP・GCTPコンサルティング(PMDA/FDA対応等)


過去、日本製薬工業協会(JPMA)品質委員会GMP部会委員、ICHでJPMAの専門家として Q7、Q8R、Q9、Q10のガイドライン/Q&Aの作成、PIC/S WGにてAnnex 2A作成、厚生労働科学研究等でGMP省令改正案、GMP監査マニュアル等の作成に関わる。

 現在、継続して、国立保健医療科学院医薬品医療機器の品質確保に関する研修で講師の一人として都道府県の薬事監視員教育に関わる。公益財団法人神戸医療産業都市推進機構外部アドバイザー(GCTP関連)

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