ICH Q3E (E&L) ガイドライン案の公開について(その1)

Date

2025-09-16

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Extractables & Leachables(E&L)に対するICH Step 2ドキュメントが2025年8月1日付でリリースされました。
https://database.ich.org/sites/default/files/ICH_Q3E_EWG_Step2_DraftGuideline_2025_0704.pdf

このガイドラインは新規医薬品の溶出物(Leachables)に適用するとしていて,細胞・遺伝子治療等製品にも適用されます。また,医薬品または生物学的製剤の定義に該当し、販売承認を必要とする医療機器併用製品も対象範囲に含まれるとしています。
元素溶出物はQ3Dがカバーし,Q3Eの適用外となります。
また,溶出物プロファイル等に影響する変更の場合,既承認医薬品も適用ですが,外因性,異物,異種物質から由来するものには適用されません。
溶出物に対しては,評価した特性に応じて閾値が提案されており,抽出物はそれにより溶出物の可能性を探るものとなります。
E&Lのリスクは,Risk = Hazard × Exposureであるとしていて,ここでのHazardは原因となりうる物質特性と推定され,その物質との曝露を避けるというのがリスクコントロールであり,この点に関しては,2010年頃に示されたISPE Baseline Guide “Risk-MaPP”に通じます。

…ブログではその2以降で,詳細に考察していきます。

執筆者

寶田 哲仁 (たからだ てつひと)

現職:株式会社ファーマプランニング シニアコンサルタント


1983年 持田製薬株式会社入社

27年間品質保証業務を経験、この間、製造管理者・品質保証責任者等経験

2016年独立行政法人医薬品医療機器総合機構

GMP・GCTP調査(シニア調査員等)の他、アジアトレーニングセンターにて東南アジア諸国等の査察官指導体制の確立及び運用に関わる

2021年 学校法人東京理科大学研究推進機構総合研究院究

ヒト細胞加工製品のQbDアプローチ関連の研究支援の他、知識管理・品質文化に関する研究

2023年 現職にて、GMP・GCTPコンサルティング(PMDA/FDA対応等)


過去、日本製薬工業協会(JPMA)品質委員会GMP部会委員、ICHでJPMAの専門家として Q7、Q8R、Q9、Q10のガイドライン/Q&Aの作成、PIC/S WGにてAnnex 2A作成、厚生労働科学研究等でGMP省令改正案、GMP監査マニュアル等の作成に関わる。

 現在、継続して、国立保健医療科学院医薬品医療機器の品質確保に関する研修で講師の一人として都道府県の薬事監視員教育に関わる。公益財団法人神戸医療産業都市推進機構外部アドバイザー(GCTP関連)