ICH Q8/Q9/Q10に関する質疑応答集の改訂版のリリースについて – 寳田 哲仁

Date

2024-12-20

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内容

Q8/Q9/Q10に関する質疑応答集は、ICHのQuality Implementation Working Groupで作成され、国内では、2010年9月に事務連絡として出されたところですが、今回、ICHで改訂版がリリースされました。(2024年10月30日付)なお、現時点で和訳版は出ていません。

最初にリリースされてからこの間、時代に合わなくなった事項やQ9の改訂等があり、今回の改訂に至ったものですが、承認日が2024年10月と表記されているのが改訂された質疑応答であることがわかります。

RTRTの№5      回答の後半追加:CPPと原料物性が組み合わされた特定の状況下(この場合は製品個々にという意味合い)で、RTRTが発揮されているという意図が加わっている。
PQSの№1 ベネフィットで1項目追加:知識主導(Knowledge-driven)で客観的なリスクアセスメントの効果追加 ⇒ Q9(R1)の観点からの追加

因みに、この質疑応答集では、査察の種類に、product-related inspectionとsystem-related inspectionが解説されており、当社のGMP Mesiter® Training for Auditorsの中で、製品特異的事項とシステム関連事項として解説しているものと同義ですが、製品特異的事項では査察員と審査員の連動や製品個別のCQAとCPPにフォーカスすることが、システム関連事項では品質システムの機能のフォーカスすることがポイントとして挙げられています。

執筆者

寶田 哲仁 (たからだ てつひと)

現職:株式会社ファーマプランニング シニアコンサルタント


1983年 持田製薬株式会社入社

27年間品質保証業務を経験、この間、製造管理者・品質保証責任者等経験

2016年独立行政法人医薬品医療機器総合機構

GMP・GCTP調査(シニア調査員等)の他、アジアトレーニングセンターにて東南アジア諸国等の査察官指導体制の確立及び運用に関わる

2021年 学校法人東京理科大学研究推進機構総合研究院究

ヒト細胞加工製品のQbDアプローチ関連の研究支援の他、知識管理・品質文化に関する研究

2023年 現職にて、GMP・GCTPコンサルティング(PMDA/FDA対応等)


過去、日本製薬工業協会(JPMA)品質委員会GMP部会委員、ICHでJPMAの専門家として Q7、Q8R、Q9、Q10のガイドライン/Q&Aの作成、PIC/S WGにてAnnex 2A作成、厚生労働科学研究等でGMP省令改正案、GMP監査マニュアル等の作成に関わる。

 現在、継続して、国立保健医療科学院医薬品医療機器の品質確保に関する研修で講師の一人として都道府県の薬事監視員教育に関わる。公益財団法人神戸医療産業都市推進機構外部アドバイザー(GCTP関連)