無料ウェビナー「規格外(OOS)について」レポート

Date

2026-09-16

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内容

株式会社ファーマプランニングは、無料ウェビナー「規格外(OOS)について」を開催いたしました。

医薬品の製造・品質管理において、ヒューマンエラーや設備・システム上の問題を完全になくすことは困難です。そのため重要となるのが、規格外(OOS:Out of Specification)の試験結果が発生した際に、科学的かつ客観的な調査を行い、適切に原因を究明することです。

本ウェビナーでは、OOS・OOTの基本的な考え方から、OOS調査の進め方、ラボ調査、製造を含めた拡大調査、再試験・再サンプリング、試験結果の評価、さらにFDA査察事例を踏まえたOOS対応のポイントまで、実務に即して解説いたしました。

OOSとOOTを正しく理解する

OOSとは、あらかじめ設定された規格から外れた試験結果が得られた状態を指します。

一方、OOT(Out of Trend)は、現時点では規格内であっても、過去の実績や傾向から見て通常とは異なる動きを示している状態です。

OOTを適切に管理することで、品質上の変化を早期に把握し、OOSが発生する前に必要な対応を行うことにもつながります。

ウェビナーでは、OOS調査の目的として、単に規格外となった原因を探すだけではなく、科学的に妥当な方法で製品の真の品質を評価すること、そして原因に基づいた再発防止につなげることが重要であると解説しました。

OOS調査は「Phase 1」と「Phase 2」で進める

OOSの試験結果が得られた場合には、原因を明らかにするための調査が必要です。

ウェビナーでは、FDAのOOSガイダンスの考え方をもとに、調査を大きく2段階に分けて解説しました。

Phase 1では、試験室(ラボ)における初期調査を行います。

例えば、

  • 試験担当者が正しい手順で試験を実施していたか
  • クロマトグラムやスペクトルなどの生データに異常がないか
  • 計算方法が適切であったか
  • 分析機器が適切に機能していたか
  • 標準品、試薬、試液などに問題がなかったか
  • 試験方法が適切に実施されていたか
  • 調査内容が適切に記録されているか

などを確認します。

Phase 1で明確なラボエラーが確認できなかった場合には、Phase 2として製造工程を含めたフルスケールの調査へ移行します。

Phase 2では、QAを中心として、製造、プロセス開発、保守、エンジニアリングなど必要な部門を巻き込み、製造記録や工程、サンプリングなどについて幅広く調査することが重要です。

安易な「再試験」でOOSを消してはいけない

OOS対応で特に注意が必要なのが、再試験(Retesting)や再サンプリング(Resampling)の取り扱いです。

OOSが発生したからといって、規格内の結果が得られるまで何度も試験を繰り返すことは、科学的な調査とはいえません。

再試験を行う場合には、あらかじめ定められた計画と科学的根拠に基づいて実施し、必要に応じて、最初の試験担当者とは別の適格な担当者が実施することも重要となります。

また、最初のOOS結果と、その後の規格内の再試験結果を単純に平均化し、規格内の結果として扱うことにも注意が必要です。

例えば、規格が90~110%の場合に、

「89% → 90% → 91%」

という結果が得られたとしても、平均値が90%だから問題ない、と判断することは適切ではありません。

個々の結果が持つ意味やばらつきを評価し、なぜOOSが発生したのかを科学的に説明することが求められます。

異常値検定だけで試験結果を無効にはできない

ウェビナーでは、試験結果の評価における異常値(Outlier)の取り扱いについても解説しました。

統計的な異常値検定は、データ群の中で特定の結果がどの程度離れているのかを評価するための有用な手段です。

しかし、統計的に他のデータから離れているという理由だけで、科学的に得られたOOS結果を無効にすることは適切ではありません。

異常値検定はあくまで原因調査を補助するための情報として活用し、試験結果を無効とする場合には、その原因について科学的な根拠を示すことが重要です。

最終的な品質判断を担うQAの役割

Phase 1、Phase 2の調査が終了した後は、調査結果を総合的に評価し、対象となるバッチやロットの品質を判断します。

ここで重要な役割を担うのがQAです。

QAは、OOSとなった最初の試験結果だけでなく、その後の調査結果、追加試験、製造工程の調査など、得られたすべての情報を総合的に評価したうえで、製品の品質および出荷可否を判断する必要があります。

OOSの原因が特定できなかった場合でも、単純に結果を無視することはできません。

一方で、十分な調査によって製造工程に問題がないことなどが科学的に示された場合には、すべての調査結果を踏まえて最終的なロット処分を判断するケースもあります。

重要なのは、結論ありきで判断するのではなく、科学的根拠と客観的なデータに基づいて慎重に判断することです。

査察事例から考えるOOS調査のポイント

ウェビナーでは、国内製造所に対する指摘事例やFDA Form 483の事例も取り上げました。

OOSが発生した際には、対象となったロットだけを調査すればよいわけではありません。

原因によっては、

  • 同じ試験方法で試験した他のロット
  • 同一設備で製造した他製品
  • 関連する製造工程
  • 過去に同様の事象が発生していないか

などについても影響を評価する必要があります。

また、根本原因を特定した後には、適切な**CAPA(是正措置・予防措置)**へつなげることも重要です。

調査が不十分なまま都合のよい原因に結びつけたり、科学的な裏付けのない状態でOOS結果を無効としたりすることは、査察時の指摘につながる可能性があります。

OOS調査で重要となる4つのポイント

ウェビナーの最後には、OOS調査を適切に進めるための重要なポイントについてまとめました。

特に重要なのは、次の考え方です。

  • 人為的なバイアスを排除し、科学的・客観的に調査すること
  • OOS発生後、迅速に初期調査を実施すること
  • 必要に応じて製造工程まで含めた詳細な拡大調査を行うこと
  • 調査の経緯、データ、判断根拠を完全に文書化すること

「製品を出荷したい」「回収を避けたい」といった結論を先に置くのではなく、得られたデータと科学的根拠をもとに原因を追究する姿勢が、適切なOOS調査には不可欠です。

さらに、原因が判明した場合には、そのロットだけでなく、他ロットや関連製品への影響を確認し、根本原因に基づいたCAPAにつなげることが重要です。

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