【FDA WL】Eurofins SF Analytical:微生物試験結果の選択的記録と培地管理の不備

Date

2026-10-19

Author
Category
Tags

内容

概要

FDAの医薬品評価研究センター(CDER)は、Eurofins SF Analytical Laboratories, Inc.に対し、2026年10月6日付で警告書を発行しました。査察対象はペンシルベニア州Horshamの試験受託施設で、査察期間は2026年6月1日~3日です。原料・医薬品の微生物試験で、全結果の保存、培地の状態、結果の検証と調査に関する問題が確認されました。

  • 対象企業:Eurofins SF Analytical Laboratories, Inc.
  • 管理番号(MARCS-CMS):736056
  • 警告書発行日:2026年10月6日
  • FDA一覧掲載日:2026年10月13日
  • 発行部局:Center for Drug Evaluation and Research(CDER)

TNTC結果の省略と「0 CFU」の見落とし

FDAは、微生物数が多すぎて計数できないTNTC(Too Numerous To Count)の結果を記録せず、別の混釈平板法の計数結果だけを記録していた事例を挙げています。企業の回答でも、2025年2月にさかのぼる一貫しない報告方法が認められ、一部の担当者が不適合となる結果を省き、適合した場合には記録するという選択的な記録を行っていたとされています。

また、最初の判定が0 CFU(集落形成単位)の場合に、別の担当者による確認を求めない手順も問題とされました。査察官は、0 CFUと記録された平板上にコロニーを確認しています。乾燥・ひび割れした培地を0 CFUと記録し、二次確認なしで廃棄した試料もありました。FDAは、これらの具体的事実を踏まえ、データの信頼性と検証体制が不十分と判断しています。

培地の状態を含めて試験結果を評価する

査察では、乾燥しひび割れた培地で得た計数結果を、規格内として記録していたことも確認されました。FDAは、損傷した培地では微生物が均一に増殖することを信頼できず、増殖が抑えられたり実際の菌の回収が見えにくくなったりするため、規格内という数値だけでは結果を有効と扱えないと説明しています。

企業は影響試料の調査を開始し、暫定措置として別の培養器に試料を移し、再試験を計画しました。一方、元の結果は有効だとの結論を、担当者への聞き取りと限定的な記録確認に基づいて示しました。FDAは、判読時の培地状態を示す写真がなく、信頼性に問題があると企業自身が認めた記録に依存しており、遡って結果の妥当性を確認する根拠がないと評価しました。

過去の報告と顧客への影響を確認する

企業は手順改訂、教育、平板判読の定期監査などを約束しましたが、FDAは、結果の選択的な省略が顧客に発行したCOA(分析証明書)の正確性に及ぼした影響を扱っていないと指摘しています。顧客に不完全または不正確な微生物データが渡っていた可能性と、過去データの完全性・正確性を裏付ける証拠が課題です。

FDAが要求したCAPAには、試料の固有表示、受渡し・保管履歴、取扱者と判読者の署名、採取・搬送・培養・取出しなどの日時、判読時に全平板を撮影した時刻付きデジタル写真、検証と品質保証の監督が含まれます。これは、今回の施設に対して示された具体的な是正要求です。

品質部門の実効性も問われた

FDAは、品質部門が試験室業務を十分に監督せず、有効な品質システムが機能していないとしています。試験方法、機器、記録、担当者の能力と調査システムの独立した包括的評価に加え、品質部門へ権限・資源を与える計画を要求しました。コンサルタントの活用が推奨されていますが、CGMP遵守の責任は企業に残ります。

実務への示唆

ここからは一般的な考察です。委託試験の管理では、最終的な数値やCOAだけでなく、その結果を支える全データ、培地の状態、試料の追跡記録まで確認可能かを点検することが有用です。不適合値の省略や再試験が疑われる場合は、元の結果を残したうえで影響範囲を検討し、顧客へ既に報告したデータとの関係を追跡する必要があります。手順を改訂した事実と、過去結果の妥当性が確認できたことを分けて評価する姿勢が重要です。

出典

FDA公式警告書:Eurofins SF Analytical Laboratories, Inc.(MARCS-CMS 736056)

本記事はAI(Codex)がFDA公表原文を基に作成した解説です。警告書発行後の是正完了を示すものではありません。実務判断では原文と最新の公式情報を確認してください。